2019年9月6日(金)、第3回東北メディカル・メガバンク計画合同研究会が東北大学星陵キャンパスにて開催されました。当機構およびいわて東北メディカル・メガバンク機構(IMM)の関係者のほか、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)や企業などからもご参加いただき、100名を超える皆さまにお越しいただきました。
冒頭、山本雅之機構長より開会挨拶として東北メディカル・メガバンク計画第3期に向けての展望が述べられた後、3つのセッションに分かれて発表が行われました。
セッション1「データの集積と活用」では、ゲノムプラットフォーム連携センターの元池育子准教授、脳画像コホート室の麦倉俊司特任教授、IMM生体情報解析部門の大友亮特別研究員が登壇し、全ゲノムリファレンスパネル4.7KJPNや15,000人規模のメタボローム解析データなど、データベースjMorpで提供するデータが大幅拡充されたこと、また脳MRI画像をはじめとした「脳と心の健康調査」データや、岩手県で行われている地域住民コホート調査の詳細二次調査データの収集が順調に進展していることなどが報告されました。
ToMMo 元池准教授(左)、IMM 大友特別研究員(右)
セッション2「コホート調査の進展」では、三世代コホート室の栗山進一教授、IMM 臨床研究・疫学研究部門の事崎由佳助教、地域住民コホート室の寳澤篤教授が登壇し、三世代コホート調査、地域住民コホート調査とも、詳細二次調査やその他の各種追跡調査が順調に進捗していることが報告されました。また、三世代コホート調査では乳幼児健診や学校健診、地域住民コホート調査では特定健診や国民健康保険診療情報などの公的データの収集も精力的に進めており、ゲノム情報と併せて、東北メディカル・メガバンク計画の柱の一つである、次世代型医療の確立に向けた研究基盤が構築されつつあることなどが報告されました。
IMM 事崎助教(左)、ToMMo 寳澤教授(右)
セッション3「未来型医療の確立に向けて」では、地域住民コホート室の寳澤篤教授、アレイ解析室の櫻井美佳准教授、IMM 生体情報解析部門の八谷剛史客員准教授、東北大学未来型医療創成センターの岡村容伸助教が登壇し、当機構でアドオンコホートとして進められている、オムロン ヘルスケア株式会社、株式会社ヤクルト本社、豊田中央研究所など各社との共同研究の概要について発表しました。また、当機構の試料・情報を活用して、多因子疾患の個別化予防・医療を目指した研究開発が進められていること、ゲノム情報に基づくポリジェニックリスクスコアによって、疾患発症リスクを従来よりも高精度に予測し得ること、さらには、クリニカルシークエンシングにおいて、当機構の日本人基準ゲノム配列JG1が有効であることなどが報告されました。
ToMMo 櫻井准教授(左)、IMM 八谷客員准教授(右)
閉会の挨拶として、佐々木真理IMM機構長より今後の本計画のますますの進展を祈念するメッセージがあり、本研究会は無事締めくくられました。
このほか、ポスターセッションでも研究発表や意見交換が盛んに行われ、3回目となる合同研究会は盛会に終わりました。
ポスターセッション会場の様子
関連リンク
第3回東北メディカル・メガバンク計画合同研究会開催のお知らせ(9/6)