東北メディカル・メガバンク計画が理化学研究所(理研)との共同研究において、平成26年2月に理研に提供したDNA試料の性別情報の一部に誤りがあったとの報道がありました。
報道にあった性別情報の誤りは、当機構が平成25年5月にコホート調査を開始し、バイオバンクの各工程の自動化や情報のデータベース化を進めている立上げ初期において、当機構の事情を理研にもご理解をいただいた上で実施した共同研究の中で、平成26年5月、理研からの連絡を受けて確認されたものです。当機構では、連絡を受けて直ちに調査・検証を行った上で、同年6月には理研に修正データを再提供しております。調査・検証結果については、再発防止策と併せてその後の体制整備に活かしました(参考資料を参照)。また、当機構は、本件から得た教訓を他のバイオバンク等でも活かしていただくため、研究集会等の場においても報告してまいりました。なお、本件は当機構のコホート参加者皆様への回付データに全く影響するものではありません。
本件に関する性別情報等の誤りは、当計画における試料・情報分譲制度の開始(平成27年8月)以前に全て修正済です。したがって、理研以外で当計画の試料・情報を利用された皆様に提供されたもの(公開された情報を含む。)は修正済のものであり、これらの皆様への影響はありません。
当機構は、本件を真摯に受け止め、バイオバンクの試料・情報の品質の向上に継続的に努めてきております。その結果、当機構バイオバンク関連部署の情報セキュリティやバイオバンクの活動について国際標準化機構(ISO)の認証(※注)を受けたことは、当機構が運営するバイオバンクの品質マネジメントが国際標準に沿っていることを示すものです。
最近、理研の成果をはじめとして、当機構の試料・情報を用いた成果の論文が相次いで発表されるようになっており、当機構は、今後とも、「貯めるだけでなく利用されるバイオバンク」として、更に多くのユーザーの方々に試料・情報をご利用いただけるよう、生体試料や情報を適切に管理し、価値の高い試料・情報を提供できるよう努めてまいります。
(※注)平成27年7月には、当機構バイオバンク室の「コホート事業のために収集されたバイオバンク用検体の受領、試料の調整、冷蔵・冷凍での保管管理、分譲及び共同研究のための試料出庫」活動でISO 9001(品質マネジメント)を取得。また、平成28年3月には、当機構統合データベース室、バイオバンク室及び試料・情報分譲室がISO 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得。