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SGLT阻害薬による腸腎連関を介した尿毒素の減少効果に関する論文がAmerican Journal of Physiology-Renal Physiology誌に掲載されました

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東北大学大学院医学系研究科の三島英換助教(東北大学病院腎高血圧内分泌科、地域医療支援部門 ToMMo クリニカル・フェロー)、阿部高明教授(東北大学大学院医工学研究科)、三枝大輔講師(当機構ゲノム解析部門医化学分野)、伊藤貞嘉教授(当機構地域医療支援部門、本学理事)らのグループは、糖尿病の治療に用いられるSGLT阻害薬の一種であるカナグリフロジンは腸内細菌叢の変化をもたらすことで腎不全時に体内に蓄積する尿毒素の減少効果を有することを明らかにしました。
本研究成果は、米国科学誌「American Journal of Physiology-Renal Physiology」に掲載されるのに先立ち、オンライン版(11月22日付け)で掲載されました。

研究内容

腎不全時には尿毒素とよばれる生体に悪影響をおよぼす様々な物質が体内に蓄積し腎不全に関連する種々の合併症に関与します。そのため尿毒素を減少させる治療法が望まれています。尿毒素の産生には腸内細菌叢が関与することが知られているため、腸管をターゲットとして尿毒素を減少させる治療法の開発が近年注目されています。
SGLT阻害薬は腎臓でのグルコース再吸収に関わるSGLT2を阻害することで糖の再吸収を抑制させる糖尿病治療薬ですが、SGLT阻害薬の中でもカナグリフロジンには腎臓のSGLT2の阻害作用に加えて、腸管でのグルコースの吸収にかかわるSGLT1の阻害作用も有していることが知られていました。
研究グループは腎不全マウスを用いた研究から、カナグリフロジンは腸内細菌叢の変化などの腸内環境変化をもたらし、その結果血中の尿毒素濃度も減少させる作用があることをから明らかにしました。

【書誌情報】
論文題名:Canagliflozin reduces plasma uremic toxins and alters the intestinal microbiota composition in a chronic kidney disease mouse model
日本語論文題名:カナグリフロジンは慢性腎臓病マウスにおいて血中尿毒素の減少と腸内細菌叢の変化をもたらす
掲載誌:American Journal of Physiology-Renal Physiology
著者:Eikan Mishima, Shinji Fukuda, Yoshitomi Kanemitsu, Daisuke Saigusa, Chikahisa Mukawa, Kei Asaji, Yotaro Matsumoto, Hiroki Tsukamoto, Tatsuki Tachikawa, Tomoya Tsukimi, Noriko N Fukuda, Hsin-Jung Ho, Koichi Kikuchi, Chitose Suzuki, Fumika Nanto, Takehiro Suzuki, Sadayoshi Ito, Tomoyoshi Soga, Yoshihisa Tomioka, Takaaki Abe.
DOI: 10.1152/ajprenal.00314.2017


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