東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の植木優夫助教(現・久留米大学准教授)と田宮元教授は、ゲノムワイド関連解析(GWAS)における問題を解決する新たな遺伝統計手法「gassoc: graph association」を開発しました。この方法によって、従来の単一SNP関連解析では検出が困難な、連鎖不平衡によって周辺効果を示す隠されたSNP効果を、双方向ネットワーク(グラフ)上の最短経路を利用した多変量回帰モデル*によって検出することができます。
また実際に、米国のアルツハイマー病患者のアレイ解析データでこの手法を検証したところ、SNP効果を検出することができました。
本成果は、国際的な遺伝統計学専門誌Genetic Epidemiology 誌に掲載されました。
【掲載論文】
Detecting genetic association through shortest paths in a bi-directed graph
著者:Masao Ueki, Yoshinori Kawasaki, Gen Tamiya
掲載誌:Genetic Epiemiology
First published: 19 June 2017
DOI: 10.1002/gepi.22051
多変量回帰モデル*:複数の要因から現象の解釈を行うためのモデル。現象の結果となる目的変数は複数になる。