今回は、次世代基盤政策研究所(NFI) の森田 朗氏をお迎えし、『ヘルスデータの利活用の欧州の現状とわが国の取り組み』をテーマに講演いただきました。
講演では、欧州で進むヘルスデータ利活用の最新の動向と、日本でデータ利活用を進める上での課題についてお話しになりました。
ヘルスデータは治療の質を向上させるだけでなく、医学研究や新薬開発、医療政策の策定にも役立つ重要な情報資源です。特にパンデミックの際には迅速なデータ共有が必要不可欠であり、適切な仕組みを整えることが求められます。欧州ではCOVID-19を境に「EHDS(European Health Data Space)」という医療制度の導入が進められており、患者個人がEU加盟国全域の病院で国境を越えて自らの医療情報にアクセスすることができ、かつ医学研究にも安全に利活用できるようになることを目標としています。
森田氏は、日本においてはヘルスデータ利活用が困難になっている状況を指摘され、医療情報の取得時の同意をベースとした「入口規制」ではなく、医療情報の利活用時の審査により適切な利活用を担保する「出口規制」の法整備を進めることが重要であると述べられました。そして、日本も欧州のようにグランドデザインを描いたうえでヘルスデータ利活用を進めることで、医学の発展や医療の質の向上につながると期待を寄せられました。
ハイブリッド形式で開催したセミナーには、ToMMo、INGEMのみならず、学内から多分野の教職員、医学系研究科の学生、約40名の参加があり、質疑応答では活発な意見が交わされました。
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