今回は、東京大学大学院工学系研究科の津本 浩平教授をお迎えし「次世代抗体医薬研究と東北大」をテーマに講演いただきました。
抗体医薬品は、人の免疫機能をつかさどる「抗体」と呼ばれるタンパク質を活用した医薬品で、がん細胞などの抗原にピンポイントで作用し、病気の治療や予防に使われます。より効果を高めるための改良が進められており、近年では遺伝子工学を用いた「次世代抗体」と呼ばれる新しい抗体が注目されています。講演では、次世代抗体のなかでも二重特異性抗体(BsAb)、抗体薬物複合体(ADC)、単一ドメイン抗体(VHH)について解説し、これらの特徴と治療における応用例が紹介されました。そして、抗体の結合力を高めるためには、Hot-Spot(ホットスポット)と呼ばれる抗体の結合部位の強化が重要であること、抗体の糖鎖構造が抗体の安定性や免疫反応に影響を与えることにも触れられました。
さらに、抗体医薬品の開発には、医学だけでなく構造化学やコロイド化学などの幅広い知識が必要であり、工学的アプローチが抗体設計の精度向上に寄与しているとお話しになりました。また、ご自身の東北大学での研究時代のご経験を振り返りながら、抗体医薬品研究において本学が大きく貢献してきたと述べられました。
ハイブリッド形式で開催したセミナーには、ToMMo、INGEMのみならず、学内から多分野の教職員、医学系研究科の学生あわせて54名の参加があり、質疑応答では活発な意見が交わされました。
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