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中谷准教授らのがん罹患者の配偶者の死亡リスクについての論文が掲載されました

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予防医学・疫学部門の中谷直樹准教授、 辻一郎教授らによるがん罹患者の配偶者の死亡リスクについての論文が、Acta Oncologica誌に掲載されました。
がん罹患者と一緒に暮らす配偶者において、心理社会的健康への悪影響だけでなく死亡リスクも高まる可能性が指摘されています。本研究では、がん罹患者の配偶者の死亡リスクが高くなるかどうかを宮城県の一般地域住民を対象とした前向きコホート調査(大崎コホート2006)により検討しました。

方法

2006年12月、宮城県大崎市に居住する40歳以上の住民を対象にアンケート調査を実施。配偶者ペアの同定は大崎市の世帯番号及び続柄を利用した。アンケート調査後のがん罹患状況については、地域がん登録情報を用いて確認した。また、死亡をエンドポイントとした追跡調査を最大4.0年間実施した。統計解析はCox比例ハザードモデルを用い、がんに罹患していない者の配偶者に対する、がんに罹患した者の配偶者の死亡リスク(ハザード比、95%信頼区間)を算出した。

結果

本研究では25,938人の対象者(12,969組の配偶者ペア)を特定し、それらを分析に含めた。アンケート調査後、対象者のうち1,308人(5.0%)の配偶者ががんに罹患していた。
全体の解析では、がんに罹患していない者の配偶者に対する、がんに罹患した者の配偶者の死亡リスクは、1.35(0.99-1.83, p=0.055)であった。一方、がんに罹患した者の配偶者について、相手がんに罹患してからの期間別の解析を行った。がんに罹患していない者の配偶者に対する、がんに罹患した者の配偶者の死亡リスクは、1年以内で2.18(1.44-3.30)、1-2年で1.23(0.67-2.25)、3年以上で0.95 (0.47-1.92)とがん罹患後1年以内でのみその配偶者の死亡リスクが有意に高くなった。

 

書誌情報

タイトル:All-cause mortality among Japanese whose cohabiting partners are diagnosed with cancer: the Ohsaki Cohort 2006 study
著者名:Naoki Nakaya, Toshimasa Sone, Yasutake Tomata, Kumi Nakaya, Masayuki Hoshi, Ken Shimizu, Ichiro Tsuji
掲載誌:Acta Oncologica
掲載日:21 January, 2019
doi:10.1080/0284186X.2018.1562208

 

関連リンク

「配偶者のがん既往が心理的苦痛に与える影響」についての論文がTohoku Journal of Experimental Medicine誌 に掲載されました


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