2017年12月12日(火)、災害交通医療情報学寄附研究部門 中間報告会を東北大学医学部開設百周年記念ホール(星陵オーディトリアム)にて開催し、100名を超える方々にご来場いただきました。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)は、東北大学大学院医学系研究科と協力して2013年に「災害交通医療情報学寄附研究部門」を設立し、健康な街づくりに資する公共交通機関のあり方や、医療機関の地理的な適正配置の検討、平時及び災害時における公共交通機関と医療機関との連携のあり方の研究を行い、交通網と地域住民の健康との関わりの解明に取り組んできました。報告会では、これまでの進捗をご報告し、今後の課題をお話ししました。
報告会は山本雅之機構長の開会挨拶で始まり、続いて国土交通省東北地方整備局 総務部長 筒井智紀様より「報告会の発表内容は、東北のまちづくり、各都市のかかえる課題と復興への関連性が高いと思っております。」とご挨拶をいただきました。
さらに「健康なまちづくりに向けた公共交通機関への期待」と題して栗山進一教授(三世代コホート室長)と寳澤篤教授(地域住民コホート室長)が講演し、田中博機構長特別補佐ら4名が「地域医療情報ネットワーク圏域内の患者の地理的分布構造と交通網の関連解析」、「駅へのアクセシビリティと妊婦の健康について」、「宮城県内の急性期医療提供体制と交通網によるアクセス時間の検討」、「自宅周辺の環境と肥満との関連」といった研究の進捗を報告しました。
またやもと内科クリニック 佐藤和生先生より「実際にデータを解析していくことの重要性ということを、今回ひしひしと感じました。今後行政の方々にもこのようなデータを活用していただき、日本中が幸せに暮らせる郷土であってほしいと思っています。」、仙台市健康福祉局 佐藤和代様より「健康管理には環境づくりが大事です。研究の成果をわかりやすい言葉でプレゼンしていただくと、行政はそれを力にすることができます。」、東日本旅客鉄道株式会社厚生部長 宇佐美伸子様より「今回の研究から、健康とまちづくり、公共交通の間にそれぞれ関連性があることがわかりました。そして、災害からの復興も、同様に大きな関連性があると思います。」とお言葉をいただきました。伊藤貞嘉 東北大学理事(研究担当)の「今後とも社会に役立つような研究を通し、住民の健康、福祉に貢献していきたいと思っています。」との閉会挨拶で、報告会は幕を閉じました。