東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の小林 朋子准教授らが制作したe-Learningコンテンツ「モノクロゲノム®」が、第21回eラーニングアワードで学びの変革特別部門賞を受賞しました。
eラーニングアワード(日本e-Learning大賞)は企業・学校・自治体などにおける、eラーニングを活用したコンテンツ・サービス・ソリューションの中からとくに優れたものを選出するアワードです。経済産業省、文部科学省、厚生労働省、総務省の4つの大臣賞が付与されるのは教育をテーマとしたアワードでは他に例がなく、毎年大きな注目を集めています。なお、表彰式は11月5日に「eラーニングアワードフォーラム2024」内で行われます。
eラーニングアワード受賞企業一覧
eラーニングアワードフォーラム
モノクロゲノム®について
ToMMoの三世代コホート調査に限らず、ゲノム・遺伝子解析研究の対象は子どもを含めた全世代に広がっています。研究に参加するか否かを、お子様自身が決定できるように、わかりやすい言葉で、内容を説明する必要がありますが、ヒト遺伝学について学んでいない小学生、中学生にゲノム・遺伝子解析研究についてわかりやすく説明することは、容易ではありません。
そこで、お子様がこれらの研究について理解し、研究参加への意思表明ができるよう支援するコンテンツを開発したいと考えました。
現存のゲノム・遺伝子解析研究の説明資料は、漢字にルビがふられるなどの工夫はされていますが、小学生や中学生に理解しやすい内容になっているとは言い難い状況です。
また、紙媒体の資料ばかりであるため一方通行の発信となっており、お子様が主体的に学べるような形式にはなっていない現状から、今回e-Learningコンテンツを開発するに至りました。
ToMMoの小林准教授が、文科省の科研費から資金提供を受け、東北芸術工科大学のプロジェクトチームと協働し、オリジナルのキャラクターとストーリーを制作しました。それを、ユニゾン株式会社がWebコンテンツに仕上げ、e-Learningコンテンツ「モノクロゲノム®」を開発しました。
「モノクロゲノム®」は、ユーザーとして小学1~3年生を想定しており、小林准教授らは開発後に実際に子どもが使用した際の検証も行いました。実際に使用した子どものうち、従来の紙媒体資料による説明では集中が続かない小学1~3年生14名全員が自主的に操作し、内6名は積極的に複数回にわたり操作を繰り返しました。また、子ども23名にストーリー/ イラスト/ 操作性についてインタビューしたところ、好意的な感想を述べるお子様が多くみられました。
二重盲検無作為化比較試験により効果検証を実施したところ、「モノクロゲノム®」を使用した子どもには紙媒体のみの学習者に比べて活発に対話する傾向がみられ、本コンテンツは興味・関心を引き出す効果があると考えられました。
「モノクロゲノム®」は、いつでも、誰でも、どこからでも、無償で使用可能なWebコンテンツとして提供しております。
本コンテンツを普及させることによって、お子様、ひいては国民全体のゲノム・遺伝リテラシー向上に貢献していきたいと考えております。
詳細URL
「モノクロゲノム®」
https://www.gemeed.megabank.tohoku.ac.jp/monokuro/
問合せ先
東北大学 東北メディカル・メガバンク機構
小林 朋子
電話:022-273-6289
E-mail:tomoko.kobayashi.e4*tohoku.ac.jp (*を@に変えてください)