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出生時の体重と成人期の血圧の関連、出生時の体重・成人期のBMIの組み合わせと成人期の高血圧の関連についての論文が掲載

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地域住民コホート調査のデータを用いて、出生時の体重とその後の成人期(20歳以上)の血圧との関連および、出生時の体重と成人期のBMI(Body Mass Index)の組み合わせと高血圧との関連について検討した論文が、Hypertension Research誌に掲載されました。

【概要】
低出生体重は、世界保健機関(World Health Organization)によって、出生体重2,500g未満と定義されています。日本では、低出生体重の割合が増加傾向にあり(1980年5.2%、2020年9.2%)、背景には、母体の高齢化、多胎妊娠、産科合併症、日本人女性の低体重、妊娠時の体重増加の低下などが原因となっている可能性が指摘されています。一方で、高血圧は、肥満や塩分の過剰摂取、飲酒、喫煙、運動習慣などの生活習慣、糖尿病や脂質異常症などの基礎疾患、その他遺伝的要因が関連する多因子疾患です。
これまで、多くの疫学研究において、出生時の体重と高血圧リスクに関しては、負の関連があることが報告されています。さらに、低出生体重で生まれ、その後肥満となった対象者は、特に高血圧のリスクが高いことが報告されていますが、低出生体重で生まれ、適切なBMIを維持した場合の成人期の高血圧リスクについて検討した報告はありません。そこで、地域住民コホート調査の10,688人の大規模なデータを用いて、出生体重とその後の成人期の血圧との関連および、出生体重と成人期のBMIの組み合わせと高血圧との関連について、詳細に検討を行いました。
その結果、低出生体重と収縮期血圧高値との関連や、低出生体重かつ成人期で肥満であった群が最も高血圧リスクが高かったことが分かりました。しかし、低出生体重であっても成人期で適切なBMIを維持した場合、高血圧リスクの軽減がみられました。

本研究では、特に低出生体重児において、成人期の体重を正常範囲に維持することによって高血圧が予防できる可能性があることが初めて示されました。本研究成果は、Hypertension Research誌に8月8日付けで掲載されました。

書誌情報

タイトル:The association of birth weight and current BMI on the risk of hypertension: the Tohoku medical megabank community-based cohort study
著者名:Hiromi Himuro, Mana Kogure, Naoki Nakaya, Tomohiro Nakamura, Rieko Hatanaka, Ippei Chiba, Kumi Nakaya, Naho Tsuchiya, Takumi Hirata, Masatsugu Orui, Tomoko Kobayashi, Eiichi N Kodama, Yohei Hamanaka, Akira Uruno, Nobuo Fuse, Satoshi Nagaie, Soichi Ogishima, Mami Ishikuro, Taku Obara, Yoko Izumi, Masatoshi Saito, Shinichi Kuriyama, Atsushi Hozawa, Junichi Sugawara
掲載誌:Hypertension Research
公開日:2024年8月8日
DOI:10.1038/s41440-024-01827-z

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