発表のポイント
・ 日本人のゲノム配列のほぼ全ての塩基配列を決定した日本人参照ゲノム配列JG3を公開しました。
・ 日本人8,380人の全ゲノム解析データを活用し、ミトコンドリアDNAの細胞内多様性を記述したミトコンドリアヘテロプラスミーパネルを公開しました。
・ JG3およびミトコンドリアヘテロプラスミーパネルにより、これまで解析できなかった領域や変異の解析が進み、疾患の機序や原因の解明が期待されます。
概要
ヒトのゲノム配列、約30億塩基対のうちおよそ27億塩基対においては、参照ゲノム配列と呼ばれる「ひながた」による解析手法が確立されていますが、残りの3億塩基対については解読が困難な領域にありこれまでの日本人参照ゲノム配列でも未解決のままでした。また、一般集団におけるミトコンドリアDNAの多様性はこれまで不明でした。
東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)の髙山 順准教授らによる研究チームは、今回この残された領域のほとんどを解読し、日本人参照ゲノム配列JG3として公開しました。JG3によりほぼ全てのゲノム配列が解析可能となります。8,380人のミトコンドリアDNAを解析し、個体内変異の割合をミトコンドリアヘテロプラスミーパネルとして公開しました。ミトコンドリアDNAのバリアントに起因する疾患メカニズムの解明につながることが期待されます。
なお、今回構築した日本人参照ゲノム配列JG3とミトコンドリアヘテロプラスミーパネルは、ToMMoが運用するデータベースである日本人多層オミックス参照パネル(jMorp)で公開されています。
関連リンク
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