妊婦の不十分な栄養摂取は児の発達特性と関連することが報告されていますが、食事摂取のタイミングと発達特性との関連は検討されていません。そこで、三世代コホート調査をもとに、日本人妊婦の朝食摂取頻度と児の発達特性との関連を検討し、この度その論文がNutrition Journal 誌に掲載されました。
妊娠前から妊娠初期、妊娠初期から妊娠中期に朝食を毎日摂取する妊婦の割合はそれぞれ78.1%、82.2%、発達に遅れのある子どもの割合は、2歳時で14.7%、3.5歳時で13.4%でした。妊娠前から妊娠初期まで、および妊娠初期から妊娠中期まで毎日朝食を摂取していた妊婦と比較すると、朝食摂取が週2回未満の妊婦の児では、2歳時での発達が遅れているリスクがそれぞれ1.3倍および1.75倍高かったです。一方、3.5歳時での発達特性とは関連がみられませんでした。
本研究から、妊娠前から妊娠中期に朝食を毎日摂取することは、児の2歳時の発達に関するリスク軽減に有益である可能性が示唆されました。
書誌情報
タイトル:Association between frequency of breakfast intake before and during pregnancy and developmental delays in children: the Tohoku Medical Megabank Project Birth and Three-Generation Cohort Study
著者名:Misato Aizawa, Keiko Murakami, Ippei Takahashi, Hisashi Ohseto, Aoi Noda, Genki Shinoda, Masatsugu Orui, Mami Ishikuro, Taku Obara, Hirotaka Hamada, Noriyuki Iwama, Masatoshi Saito, Junichi Sugawara, Shinichi Kuriyama
掲載誌:Nutrition Journal
公開日:2023年12月6日
DOI: 10.1186/s12937-023-00901-5