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乳幼児期と学童期・思春期の過体重の関連についての論文が掲載

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三世代コホート調査のデータを用いた研究で、乳幼児期と学童期・思春期の過体重の関連について解析し、乳幼児期に過体重であるとその後も過体重になりやすいことを明らかにした論文がMDPI Childrenに掲載されました。

肥満(過体重)は循環器疾患をはじめとする様々な疾患のリスク因子になることが明らかにされています。また、学童期や思春期に肥満であると高い確率で成人後も肥満になることが追跡調査から分かってきました。しかし、出生時や乳幼児期などの学童期より前の体格や過体重とそれ以降の過体重との関連は検討されていませんでした。そこで、三世代コホート調査をもとに、出生時の体格や体重、および乳幼児期の過体重が学齢期および思春期の過体重と関連しているかを検討しました。
今回の研究では、乳幼児期にあたる1.5歳と3.5歳、学童期にあたる6歳と11歳、思春期にあたる14歳の各時点での体重のデータを収集し、解析しました。研究の結果、乳幼児期に過体重であったお子さんは、学童期および思春期にも過体重である確率が高くなることが分かりました。特に、1.5歳時点で過体重のお子さんは、そうでないお子さんと比較して、3.5歳時点で約13.42倍、6歳時点で6.94倍、11歳時点で5.22倍、14歳時点で1.61倍も過体重になりやすいことが明らかになりました。これらの結果から、乳幼児期の過体重は、学童期および思春期の過体重および肥満のリスクを増大させる可能性が示唆されました。また、乳幼児期の肥満予防は、その後の肥満予防につながることが期待されます。

なお、この研究では、小児の体格(BMI)を標準化するためにBMI zスコアを算出し、1を標準としてzスコアが1より大きい場合に「過体重」と定義しました。
本論文は母子保健情報と学校保健情報の連係をテーマに、母子健康手帳や乳幼児健康診査、学校健康診査の情報を活用した論文です。

書誌情報

タイトル:Association between being Overweight in Young Childhood and during School Age and Puberty
著者名:Genki Shinoda, Yudai Nagaoka, Fumihiko Ueno, Naoyuki Kurokawa, Ippei Takahashi, Tomomi Onuma, Aoi Noda, Keiko Murakami, Mami Ishikuro, Taku Obara, Hirohito Metoki, Junichi Sugawara, Shinichi Kuriyama
掲載誌:MDPI Children
公開日:2023年5月22日
DOI: 10.3390/children10050909

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