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宇宙生物科学統合バイオバンク「ibSLS」の公開データを大幅拡充 ~世界初! 地上一般住民と宇宙滞在マウスの血液成分の比較が可能に~

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宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で構築した、ibSLS(宇宙生命科学統合バイオバンク、Integrated Biobank for Space Life Science)のデータベースに、新たにマウス血液代謝物(メタボローム)データを追加し、公開しました。

ToMMoは2020年11月に国際宇宙ステーションきぼう実験棟で実施された、世界初となる遺伝子ノックアウトマウス飼育ミッションのサンプルを用いた、トランスクリプトーム解析結果をデータベース化し、ibSLSとして公開しました。 
宇宙での小動物飼育ミッションによる生命科学データベースibSLSを公開

また2021年9月に、同ミッションのサンプルを用いてメタボローム解析を行い論文として発表しました。
ストレス対応で宇宙環境に身体をアジャスト! 〜ストレス応答性転写因子Nrf2の宇宙における脂質代謝調節〜【プレスリリース】

今回のアップデートでは、ibSLSにメタボローム解析の検索機能を追加し、関連論文で発表した241の血液中の代謝物濃度を表示できるようにしました。この機能追加により、宇宙フライトにより生体内で代謝変化を、簡単に調べることが可能になりました。さらに、ToMMoの日本人多層オミックス参照パネル(Japanese Multi Omics Reference Panel; jMorp)における血中代謝物濃度と比較できるようになりました。このため、ヒト(一般住民)における加齢変化と、マウスにおける宇宙滞在による変化の比較が容易になりました。今後、宇宙マウスミッションで得られた知見を活用した加齢研究が加速することが期待されます。

検索の一例を示します。検索画面に、キーワードとしてlysoPC(リゾホスファチジルコリン、脂質の一つ)と入力すると、9種類の候補代謝物が表示されます。

さらに、代謝物を選択すると、血液中濃度がグラフで表示されます。下図はlysoPCのうち、特に宇宙フライトで大きく変動したlysoPC a C18:1の例です。フライト中に採血した血液(in-flight)では、宇宙滞在野生型マウス(WT-FL)で、地上対照野生型マウス(WT-GC)よりlysoPC a C18:1の血中濃度が増加していることがわかりました。

 

宇宙生物科学統合バイオバンク「ibSLS」の公開データを大幅拡充(JAXAの発表)

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