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3月9日(水)、INGEM & ToMMoセミナーシリーズ第17回を開催しました

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 今回は、INGEM・ToMMoにおいてメタゲノム解析を推進している清水 律子 教授(INGEMクリニカルフェノームグループ長/ToMMoゲノム解析部門 分子血液学分野・地域口腔健康科学分野)が、『メタゲノム解析で健康を考える』をテーマに講演しました。

 冒頭では、新しい解析手法のひとつであるメタゲノム解析について説明がありました。『メタゲノム』とはサンプルから直接回収されたゲノムDNAを扱う、微生物学・ウイルス学の研究分野で、環境中からゲノムの遺伝子配列情報を収集し、とりまとめて(メタ的に)解析をすることが可能であるという考えから「ゲノム」に高次元を表す「メタ」という言葉を付け加えて命名されたこと。 単一の菌株を単離培養する過程を経ずに、様々な系統由来のDNAがミックスされた状態で菌種とその割合を同定する研究方法であり、医学分野ではヒト常在細菌の解析が注目されていると説明がありました。

 その歴史としては1800年代の病原菌・細菌の研究を礎に、2000年代になると様々な菌が免疫力や基礎代謝に関係してくるのではと考えられるようになり、そのバランスが崩れると全身の健康状態に関わると考えられるようになったこと。2000年代初頭から世界でマイクロバイオームの基礎的な研究が、そして時を同じくして日本においてもメタゲノム解析始まり2010年を越えると基礎的なデータの蓄積の上に疾患を解析しようという流れが始まり現在に至っているそうです。

 そして、メタゲノム解析の現在主流の解析方法や、各方法から得られる情報や課題点などについての説明、現在清水先生が取り組む様々なプロジェクトやデータベースの構築事例や、共同研究等の実績についても紹介がありました。
 最後に、現在取り組む研究が疾患に関係するもの、また創薬ターゲットにつながる日本発の発見へつなげ医療の発信に努めていきたい、と締めくくられました。

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