2021年3月4日(木)、東北大学生命科学研究科応用生命分子解析分野 横山 武司 助教(未来型医療創成センター(INGEM)生体高分子構造解析グループ)が「INGEM & ToMMoセミナーシリーズ第9回」に登壇し、『クライオ電子顕微鏡法を用いて、タンパク質複合体の「かたち」と「うごき」を解き明かす。』と題し講演しました。
横山助教は、細胞内でたんぱく質合成を行うリボソームの「かたち」と「うごき」を、クライオ電子顕微鏡を用いて研究されています。
クライオ電子顕微鏡法とは生体試料を急速凍結しガラス状の氷に閉じこめ、透過型電子顕微鏡を用いて直接観察する技術です。生体高分子複合体の立体構造を高い分解能で知ることができ、これまでは東北エリアにはクライオ電子顕微鏡がなく、関東まで出向いて研究を進める必要があったそうです。
講演では、光学顕微鏡から透過型電子顕微鏡、クライオ電子顕微鏡法の誕生に至るまでの歴史や、2013年に分解能革命と呼ばれる技術的な発展で分解能が急速に改善し、より高分解な構造解析ができるようになったこと、またクライオ電顕による生体試料観察に関し、実際の試料凍結の手順を記録した動画や他電顕施設の例などについてもお話しされました。
最後に、アカデミア創薬に関わる支援拠点のひとつとして東北エリアでは東北大学が初めて導入し、令和3年度から稼働する300kVクライオ電子顕微鏡で、多様な生体高分子の構造解析が可能になること、各機関や研究者と協力し創薬研究を加速させていきたい、とお話しされました。
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