ゲノム解析部門の三枝大輔講師らは、ケース・ウェスタン・リザーブ大学(USA)の宮城大准教授、Mahmoud A. Ghannoum教授らとの国際共同研究により、クローン病発症の原因となる腸内細菌叢の複数種混合培養液中に含まれる代謝物をガスクロマトグラフィー三連四重極型質量分析計(GC-MS/MS)によるメタボローム解析手法を用いて分析し、混合培養した時のみに特異的に産生量が増加する代謝物を多変量解析により同定することに成功しました。さらに、その産生代謝物の一種であるインドール酢酸(IAA)が、クローン病治療や予後に大きく影響を与えるバイオフィルム産生に必要なバイオマーカーであることを明らかにしました。
ToMMoは、2015年に東北大学とケース・ウェスタン・リザーブ大学の間で締結された大学間連携協定に参画し、これまでに両大学で開催された国際共同シンポジウムの運営あるいは発表には、三枝講師を含め多数の教員が積極的に参加し、同大学間の国際共同研究推進に努めてきました。本研究成果は、連携当初から推進していた国際共同研究によって創出されたものであり、今後のクローン病発症あるいは創薬開発に大きく貢献することが期待できます。
書籍情報
タイトル:Indole-3-acetic acid synthesized through the indole-3-pyruvate pathway promotes Candida tropicalis biofilm formation
著者:Masaru Miyagi, Rachel Wilson, Daisuke Saigusa, Keiko Umeda, Reina Saijo, Christopher L. Hager, Yuejin Li, Thomas McCormick, Mahmoud A. Ghannoum
掲載誌:PLoS One
Published:December 17th, 2020
DOI:10.1371/journal.pone.0244246
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