ToMMoゲノムプラットフォーム連携センターの主催によるゲノム・オミックス連携推進セミナーを、下記の通り開催致します。オープンなセミナーですので、学外、学生の方々を含め、ご興味のある方はどなたでもご参加頂けます。
詳細
日時: 1月4日(木) 16:00~17:00
場所: 東北メディカル・メガバンク棟 3階 大会議室
講師: 平塚 真弘 先生
(東北大学大学院 薬学研究科 生活習慣病治療薬学分野 准教授、
東北大学病院薬剤部(兼)、東北メディカル・メガバンク機構(兼))
演題: PGx解析におけるSNPアレイの有用性と問題点
※ セミナー終了後に3階小会議室1にて、講師との意見交換会が予定されています。
セミナー要旨
ファーマコゲノミクス(Pharmacogenomics; PGx)は、薬の作用(効果および副作用)とゲノム(特に遺伝子多型)情報を結びつけることにより、特定の患者における薬剤応答性に関連する要因を見出し、臨床応用につなげる研究分野である。個々の患者における薬効や副作用発現のリスクを投与開始前に予測することができれば、より効果的で安全な薬物療法を提供することができる。近年、薬剤応答性を予測するために、一塩基多型、挿入、欠失、コピー数バリアントなどの遺伝子多型をゲノムバイオマーカーとして臨床応用しようとする試みが世界的に行われている。
米国食品医薬品局(FDA)は「Table of Valid Genomic Biomarkers in the Context of Approved Drug Labels」の中で、CYP2C9/VKORC1(ワルファリン)、CYP2C19(クロピドグレル、ボリコナゾール)、CYP2D6(フルオキセチン、コデイン)、DPYD(5-FU、カペシタビン)、TPMT(6-メルカプトプリン、アザチオプリン)、UGT1A1(イリノテカン)など、遺伝子多型と対応する医薬品の反応性が強い関連性を示すゲノムバイオマーカーとして定義している。しかしながら、遺伝子多型の頻度や種類には著しい人種差が存在し、白人種や黒人種で得られたデータをそのまま日本人に適用することは難しいため、日本人集団に特化したPGx研究が必須となる。また、PGxに関連するSNPを網羅的に検出する手法として、SNPアレイが用いられているが、市販されている製品は、白人種で同定されたSNPのみが搭載されていることから、日本人版PGx SNPアレイの創出が求められている。
本セミナーでは、PGx研究の現状、臨床現場におけるPGx検査、治験におけるPGx SNPアレイの有用性、現状のPGx SNPアレイの問題点、我々と東北メディカル・メガバンク機構におけるPGx研究の成果等を紹介し、ゲノム・オミックス連携推進の中でPGx研究に対する相互理解を深めたいと考えている。
問合せ先
東北メディカル・メガバンク機構
ゲノムプラットフォーム連携センター
副センター長 田邉
contact*gpc.megabank.tohoku.ac.jp(芳賀)
(*を@に変えて下さい)
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