2017年10月2-4日、未来型医療拠点キックオフ 第二回カロリンスカ研究所・東北大学合同会議(2nd Karolinska-Tohoku Joint Symposium on Medical Sciences) Biobank and Biochemistryが東北大学東北メディカル・メガバンク機構、東北大学病院、カロリンスカ研究所の共催で開かれました。2014年の第一回に続く、今回のテーマはバイオバンクと生化学です。2017年度に指定国立大学法人に指定された東北大学は、「未来型医療」の領域における世界トップレベル研究拠点の形成を目指していますが、今回のシンポジウムはそのキックオフと位置づけています。
一日目は未来型医療拠点キックオフとして、里見進総長のご挨拶から始まりました。里見総長は、東北大学が次世代医療を担う中心となれるよう発展することを目指しており、このシンポジウムがその機会となることを願うこと、そのためカロリンスカ研究所や台湾等各機関との協力発展を願うことを述べました。続いて文部科学省法人支援課企画官 石橋晶様が、指定国立大学法人となった東北大学の未来を祝されました。またカロリンスカ研究所のMark Divers バイオバンク長が、カロリンスカ研究所はこの3年間ToMMoの山本雅之機構長らと研究協力しており、未来の医療の実現を目指して、東北大学との間に医学研究のアイデアや展望を共有していきたいと語りました。
さらに基調講演で伊藤貞嘉理事が星陵キャンパスを未来の医療の国際センターとする構想を発表され、山本機構長が生物の環境応答に重要な役割を果たしているKeap1-Nrf2制御系について講演しました。
二日目と三日目は、カロリンスカ研究所からMark Diversバイオバンク長、Elias Arnér教授、Jon Lundberg教授、Arne Holmgren教授、Arne Östman教授ら、台湾バイオバンクからChen-Yang Shen(沈志陽)教授ら、フランス原子力・代替エネルギー庁からPaul-Henri Romeo先生を含む国外から13名、さらに慶応大学から小崎健次郎臨床遺伝学センター教授をお迎えし、東北大学の15名を加えて、活発な質疑応答が行われました。会議においては体内のシグナル経路に焦点を当てた生化学研究からAIを用いたディープラーニングによる疾患リスク推定の試みまで幅広い講演内容となり、充実した会議となりました。
Mark Divers先生の講演では、カロリンスカ研究所のバイオバンクは国際ネットワークを築いていて東北大学はその一つであること、またstockholm3 testという事業では開始後4年で前立腺がんの高精度なスクリーニングに利用できる成果が出る等、同バイオバンクが社会に貢献していることが紹介されました。また、3日目本会議を共催した大学病院から石岡千加史教授が講演され、同病院で進められている個別化医療センター構想について説明されました。
最終日の講演終了後には若手研究者を対象とした授賞式が行われ、国際部門はQing Cheng博士(カロリンスカ研究所)、国内部門は平塚真弘准教授(ToMMo/薬学研究科 生活習慣病治療薬学分野)が表彰されました。
なお10月2日には10人の国外講演者が、東北メディカル・メガバンク棟の研究施設を見学しました。
講演するMark Divers先生
表彰を受けるQing Cheng博士
最終日の会場にて
関連リンク
未来型医療拠点キックオフ 第二回カロリンスカ研究所・東北大学合同会議の開催のお知らせ
Karolinska-Tohoku Joint Symposium on Medical Sciences(第1回)