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統合失調症患者のがん検診受診率についての論文がPsychiatry and Clinical Neurosciences誌に掲載されました

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ー統合失調症患者はがん検診受診率が低いー

東北大学東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門の 中谷直樹准教授と岡山大学大学院医歯薬学総合研究科精神神経病態学の藤原雅樹医師ら、岡山県精神科医療センターの児玉匡史部長ら、国立がん研究センターの内富庸介部門長らの共同研究グループは、統合失調症患者のがん検診受診率が極めて低いことを明らかにしました。

統合失調症患者は一般住民と比べて平均余命が短く、その健康格差が大きな問題となっています。また海外では、統合失調症患者のがん検診受診率は、一般住民と比較して低いことが知られており、公衆衛生上の課題として認識されています。がん検診は健康増進にとって重要な予防医療ですが、わが国では統合失調症患者のがん検診受診率は不明のままでした。そこで、本研究では、統合失調症患者のがん検診受診率を明らかとすることを目的とした調査を実施しました。

本調査は、岡山県精神科医療センターへ1年以上通院している20-69歳の統合失調症患者420名を対象に健康に関する質問紙調査を実施し、350名から回答をいただきました。その結果、患者の過去1年間における年齢調整後のがん検診受診率(乳がん、子宮頸がんは過去2年)が、大腸がん25.1%、胃がん20.6%、肺がん31.1%、乳がん25.6%、子宮頸がん20.0%であることを明らかにしました。これは、一般住民の約2分の1の受診率です。また、統合失調症の重症度/機能障害度が重いほど、がん検診を受診していないことも明らかとなりました。

健康格差を解消するためには、これらの患者に対して、がん検診受診の勧奨、受診支援等を含めた健康増進の支援が重要です。

詳細(岡山大学プレスリリース)

■論文
Cancer screening participation in schizophrenic outpatients and the influence of their functional disability on the screening rate: a cross-sectional study in Japan
掲載誌: Psychiatry and Clinical Neurosciences
DOI: 10.1111/pcn.12554
著者: 藤原雅樹、稲垣正俊、中谷直樹、樋口裕二、藤森麻衣子、林原千夏、宋龍平、 掛田恭子、児玉匡史、内富庸介、山田了士
論文名邦訳:外来通院中の統合失調症患者におけるがん検診受診率及び、受診に対する機能障害の影響:日本における横断研究


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