東北メディカル・メガバンク計画は、SNPアレイで解析し遺伝型決定が行われた約1万人分の生体試料・情報を、2月下旬より分譲開始しました。1万人規模の地域住民のDNA、血漿、血清と健康調査情報(検体検査情報、調査票(生活)情報、特定健康診査情報)およびSNPアレイ情報(一塩基多型の個人毎遺伝型)の分譲は、日本初です。これらの情報を共に解析することで、病気の原因解明や治療法開発のための研究の発展が期待されます。当計画は今後も引き続き分譲対象の拡大などを進めていきます。
平成27年夏より外部機関へ当計画のバイオバンクの試料・情報を分譲しています。分譲される試料・情報は、当計画のバイオバンクに収集している宮城県と岩手県の地域住民コホート調査の生体試料・情報です。これらは研究上有用であり、個別化予防等の次世代医療の実現へ向けた研究への活用が期待されています。
なお、「分譲」は、両大学以外の有識者を中心とした試料・情報分譲審査委員会の審査の上で、個人情報の管理等に配慮したセキュリティーポリシーの厳格な運用をもとに行われます。
分譲を申請できるのは、日本の学術研究機関(非営利機関)と、本社が日本にある企業等の研究所に所属する研究者です。なお被災地を中心とした大規模ゲノムコホート研究や、東北発の予防医療・個別化医療等の次世代医療の実現と創薬等の新たな産業の創出を目指す目的に沿った研究への利用が求められます。また分譲後に生じた知的財産は、利用者に属します。
さらに平成29年中に、血漿オミックス解析対象者の生体試料・情報約1,000人分および2,049人分の日本人ヒト全ゲノム解析に基づく高精度の住民ゲノム参照パネル (2KJPN)の対象者等の生体試料・情報の分譲開始を予定しております。