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地域住民コホート調査の宮城県における詳細二次調査の研究概要を報告した論文が掲載

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東北メディカル・メガバンク計画 (TMM計画) 地域住民コホート調査の宮城県における詳細二次調査の研究概要を報告した論文が、この度Journal of Epidemiology誌に掲載されました。

目的

TMM計画は、被災地を中心とした大規模コホ-ト研究を行うことで地域に貢献するとともに、次世代型医療の構築を目指すことを主たる目的としています。本研究では、地域住民コホート調査の宮城県における詳細二次調査 (1回目の詳細な追跡調査) について、参加者の募集および調査方法と参加者の特徴を報告することを目的としました。

方法

詳細二次調査は、ベースライン調査*1参加者を対象として2017年6月から2021年3月にかけて行われ、当機構の7か所の地域支援センターで、生活や食に関する調査票調査と併せて血液・尿検査、生理機能検査を実施しました。さらに、わが国での社会的要請に応じるべく、ベースライン調査での調査項目に加え調査票ではワクチンの接種状況や介護に関する項目、血液検査ではC反応性タンパク (CRP) 、甲状腺刺激ホルモン (TSH) 、生理機能検査では呼気中一酸化炭素濃度 (FeNO) 、心電図、食塩含浸濾紙 ソルセイブが新たに追加されています。また、詳細二次調査の参加者の特性をベースライン調査の参加方法別に検討しました。ベースライン調査の参加方法には、1.特定健診会場で参加し、地域支援センターでの調査には参加しなかったもの (特定健診型)、2. 特定健診会場で参加したのち地域支援センターで生理機能検査等の調査に参加したもの(特定健診型+センター型)、3. 地域支援センターで参加したもの (センター型) があります。

結果および結論

詳細二次調査にはフォローアップ中の50,967人のうち29,383人が参加していました。参加率は、全体では57.7%、特定健診型で45.9% (15,343人/33,392人) 、特定健診+センター型で81.2% (3,178人/3,916人) 、センター型で79.5% (10,862人/13,659人) でした。詳細二次調査参加者のベースライン時の平均年齢は特定健診型、特定健診+センター型、センター型でそれぞれ60.2 歳(標準偏差11.0)、60.6 歳 (10.1)、57.9 歳 (13.0)でした。また、ベースラインの参加型によっていくつかの調査項目で違いが認められましたが、全体としては大きく異なりませんでした。
ベースライン調査と詳細二次調査によって、調査票のみならず血液・尿検査、生理機能検査について多くの調査項目が繰り返し測定され、各項目の変化や疾患発症との関係を検討できる日本最大規模の前向きコホートのデータベースが構築されました。地域住民コホート調査は、災害が健康に及ぼす長期的な影響の解明のみならず、疾病の個別化予防および治療にも貢献し得る情報を提供できるコホートとなっています。

*1 :ベースライン調査:2013年から2016年にかけて実施したリクルート時の調査のこと。

書誌情報

タイトル:Progress report of the Tohoku Medical Megabank Community-Based Cohort Study: Study profile of the repeated center-based survey during second period in Miyagi Prefecture

著者名:Atsushi Hozawa*, Kumi Nakaya*, Naoki Nakaya, Tomohiro Nakamura, Mana Kogure, Rieko Hatanaka, Ippei Chiba, Ikumi Kanno, Junichi Sugawara, Eiichi Kodama, Yohei Hamanaka, Tomoko Kobayashi, Akira Uruno, Naho Tsuchiya, Takumi Hirata, Akira Narita, Akito Tsuboi, Toru Tamahara, Akihito Otsuki, Maki Goto, Makiko Taira, Ritsuko Shimizu, Kichiya Suzuki, Taku Obara, Masahiro Kikuya, Hirohito Metoki, Mami Ishikuro, Inaho Danjoh, Soichi Ogishima, Satoshi Nagaie, Naoko Minegishi, Masahiro Hiratsuka, Kazuki Kumada, Ichiko Nishijima, Takahiro Nobukuni, Yumi Yamaguchi-Kabata, Fuji Nagami, Shigeo Kure, Nobuo Fuse, Kengo Kinoshita, Yoko Izumi, Shinichi Kuriyama, Masayuki Yamamoto
*These authors contributed equally to the study.

掲載誌:Journal of Epidemiology

掲載日:2024年2月24日

DOI:10.2188/jea.JE20230241

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