今回は、水野 聖士 助教(ToMMo 医療情報ICT部⾨)が、『マルチモーダル情報の統合に基づくデータ・知識駆動型の早期発症予測モデルの開発』をテーマに講演されました。
ToMMoで推進している三世代コホート調査で収集されたデータは、遺伝要因・環境要因、検査データ、医療情報など多岐に渡り、かつ時系列の変化も伴うマルチモーダルな情報であるため、水野先生は、膨大なデータをまとめた統合データベースの開発を進められました。妊娠高血圧症候群(HDP)に注目し、三世代コホート調査参加者の妊婦22,452人をもとにHDPの病型分類に実用可能なフェノタイピングアルゴリズムを開発。大規模なデータも、高い精度で病型分類できるようになりました。また、三世代コホート調査のベースライン調査が完了し、大規模な出生体重データが利用可能となったことから、HDPと低出生体重(LBW)の早期発症予測モデルを開発。その一連の流れと、LBWの層別化にもとづいた具体的な発症予測の実践例を示されました。
今後は、新たな疾患概念の創出を深め、早期発症予測モデルの開発に遺伝要因・環境要因の解析を追加し課題解決に取り組み、さらに幅広い知識で補完することで精度を向上させたいと、展望を述べられました。
ハイブリッド形式で開催したセミナーには、ToMMo、INGEMのみならず、学内から多分野の教職員、医学系研究科の学生、約50名の参加があり、質疑応答では活発な意見が交わされました。
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