岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構の徳富 智明講師を中心とし、ToMMoの長神 風二教授も参加した研究で、12の多因子疾患の遺伝学的リスク検査実施に関してステークホルダーの意識調査を行った結果をまとめた論文がGENES誌に掲載されました。
研究では、遺伝情報に基づくリスク予測の必要性と適切な検査時期について、ウェブベースの調査を行い、506名のステークホルダー(医療関係者等)から回答を得ました。その結果、成人発症の慢性疾患については、遺伝子リスク検査は肯定的に受けとめられ、また、検査は20歳以降に実施されるべきとの意見が多く見られました。一方で、小児期に発症する精神疾患やアレルギー疾患の検査は出生から19歳までに実施されるべきとの認識が多く見られました。遺伝子診療のステークホルダーは、成人期に発症する疾患の遺伝子リスク検査の必要性を認識し、適切な検査時期は成熟期以降であると考えていることが明らかになりました。本研究は、多因子疾患の遺伝的リスク予測のためのポリジェニックリスクスコア(PRS)等の臨床的実施に関する議論に貢献するものです。
書誌情報
タイトル:Stakeholder Perception of the Implementation of Genetic Risk Testing for Twelve Multifactorial Diseases
著者:Tomoharu Tokutomi, Akiko Yoshida, Akimune Fukushima, Fuji Nagami, Yuko Minoura, Makoto Sasaki
掲載誌:genes
公開日: 2023年12月28日
DOI: 10.3390/genes15010049