東北メディカル・メガバンク機構が運用するデータベースである日本人多層オミックス参照パネル(jMorp)について、2021年から2023年までのアップデート内容に関して論文としてまとめ、Nucleic Acids Research誌に報告しました。
jMorpは2015年に日本人約500人の血漿サンプルから得られたメタボロームデータとプロテオームデータを統合的に解析することを目的に立ち上げられました。立ち上げ以来、我々はデータベースを継続的にアップデートしてきました。2020年にもその時点でのデータベース内容に関して報告 (Shu Tadaka et al. Nucleic Acids Res., 2021) していますが、今回の論文では前回の報告からの進捗部分を報告しました。前回の報告と比較して、主に以下の4点が強化されています。
1. メタボロームデータの解析対象となる検体数と代謝物が拡大しました。
2. ゲノムバリエーションデータ(SNV/INDEL)の解析対象者人数が拡大し、また、新たにHLA・CNV解析情報を追加しました。
3. PGx・メタゲノム・トランスクリプトーム解析データを新たに追加しました。
4. Webインターフェースを一新し、利用者体験(UX)の向上を目指しました。
最新版のjMorpは提供するオミックスデータの種類も増え、日本人のマルチオミックス情報ソースとして、疾患バイオマーカーの発見と早期診断、および個別化予防への貢献が期待されます。
書誌情報
論文題名: jMorp: Japanese Multi-Omics Reference Panel update report 2023
掲載誌:Nucleic Acids Research
著者:Shu Tadaka, Junko Kawashima, Eiji Hishinuma, Sakae Saito, Yasunobu Okamura, Akihito Otsuki, Kaname Kojima, Shohei Komaki, Yuichi Aoki, Takanari Kanno, Daisuke Saigusa, Jin Inoue, Matsuyuki Shirota, Jun Takayama, Fumiki Katsuoka, Atsushi Shimizu, Gen Tamiya, Ritsuko Shimizu, Masahiro Hiratsuka, Ikuko N Motoike, Seizo Koshiba, Makoto Sasaki, Masayuki Yamamoto, Kengo Kinoshita
公開日:2023年11月1日
DOI:10.1093/nar/gkad978
関連リンク
jMorpアップデートについての論文を発表(2020年11月18日)
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