三世代コホート調査には1万組以上のトリオ(両親とその児のセット)が含まれ、疾患者が含まれるトリオの比較対照としての活用が可能です。
順天堂大学とToMMoの研究グループは、双極性障害の病態機序として、発生初期に生じる体細胞モザイク変異、特に神経発達障害の原因遺伝子上のモザイク変異が関与する可能性があることを明らかにしました。双極性障害は従来から生殖系列の遺伝因子が深く関与することが知られていましたが、発生発達の過程で生じる体細胞モザイク変異が関与する可能性を報告するのは、世界で初めてです。
研究では双極性障害における特徴を調べるため、双極性障害患者トリオ家系(患者とその両親)と三世代コホート調査のトリオ家系のゲノム解析結果を比較しました。
詳細は順天堂大学のプレスリリースをご覧ください。
双極性障害の病態解明につながるモザイク変異・ミトコンドリア変異の同定
書誌情報
タイトル:Deep exome sequencing identifies enrichment of deleterious mosaic variants in neurodevelopmental disorder genes and mitochondrial tRNA regions in bipolar disorder
著者名:Masaki Nishioka, Jun Takayama, Naomi Sakai, An-a Kazuno, Mizuho Ishiwata, Junko Ueda, Takashi Hayama, Kumiko Fujii, Toshiyuki Someya, Shinichi Kuriyama, Gen Tamiya, Atsushi Takata, Tadafumi Kato
掲載誌:Molecular Psychiatry
公開日:2023年5月30日
DOI:10.1038/s41380-023-02096-x