東北メディカル・メガバンク(TMM)計画は、一般の住民の方を対象にした大規模なコホート研究です。研究参加者の方の健康の状態を追跡し、かつ遺伝情報を解析し、次世代の個別化医療・個別化予防の基盤的なデータの構築の研究を行っています。その研究のひとつの柱である、個人への遺伝情報の返却というパイロット研究を2016年より開始しています。
コホート研究の枠組みでは我が国では初めてである遺伝情報の返却のパイロット研究に関する研究を、東北大学東北メディカル・メガバンク機構と岩手医科大学いわて東北メディカル・メガバンク機構等の共同で行い、その成果が2021年7月8日付けでJournal of Human Genetics誌に掲載されました。論文は、TMM計画において遺伝情報回付を行うに至った議論と実施のための枠組み、最初の回付対象疾患となった家族性高コレステロール血症における結果などについて扱っています。なお、2021年8月6日まで期間限定にて論文が無料公開中です。
書誌情報
タイトル:The return of individual genomic results to research participants: design and pilot study of Tohoku Medical Megabank Project
著者名:Hiroshi Kawame, Akimune Fukushima, Nobuo Fuse, Fuji Nagami, Yoichi Suzuki, Mika Sakurai-Yageta, Jun Yasuda, Yumi Yamaguchi-Kabata, Kengo Kinoshita, Soichi Ogishima, Takako Takai, Shinichi Kuriyama, Atsushi Hozawa, Naoki Nakaya, Tomohiro Nakamura, Naoko Minegishi, Junichi Sugawara, Kichiya Suzuki, Hiroaki Tomita, Akira Uruno, Tomoko Kobayashi, Yayoi Aizawa, Tomoharu Tokutomi, Kayono Yamamoto, Kinuko Ohneda, Shigeo Kure, Yoko Aoki, Hideki Katagiri, Yasushi Ishigaki, Shojiro Sawada, Makoto Sasaki & Masayuki Yamamoto
掲載誌:Journal of Human Genetics
掲載日:08 July 2021
DOI:10.1038/s10038-021-00952-8