発表のポイント
・東北大学東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)が実施している長期健康調査の3回目の詳しい検査(詳細三次調査)を7月15日より開始します。
・ 詳細調査は2013年より実施しており、今回の詳細三次調査実施により10年を超える調査となります。数年以上の間隔をおいて同一の人の経時的な変化を測定している調査として日本最大規模であり、また大規模な地震後の調査としては世界で唯一の調査です。
・詳細三次調査により経時データの厚みが一層増し、ゲノムおよび生活環境が加齢や発達に与える影響の解明に寄与します。
概要
ToMMoでは2013年10月より宮城県内7か所に設置した地域支援センターで詳細調査を実施しています。これまで同一の人に2回の詳細調査を実施し、今回さらに3回目の調査を実施します。
一連の詳細調査は、子どもから高齢者まで網羅した、日本はもちろん世界でも極めてまれな調査です。また、大規模な地震後の調査として世界でも例のない調査であり、東日本大震災およびそれ以降の震災の影響の検討が可能です。
今回の詳細三次調査により調査は10年を超えます。参加されている方は各年代それぞれ10年の年齢を重ねられ、健康や発達の状態に個人差が表れてきます。詳細三次調査では加齢に着目した新規の調査項目を追加しました。それぞれの年齢によって個人差があるところ、誰でも同じように変化するところとその原因を解明し、健康長寿社会の形成のため個別化ヘルスケアを実現してまいります。
表1 各詳細調査の概要
実施時期 | 調査項目 | |
ベースライン調査 |
2013/10~2017/3 |
身長、体重、聴力、眼科、口腔内、推定中心血圧、頸動脈エコー、体組成、骨密度、呼吸機能、握力、脚伸展力など |
詳細二次調査 |
2017/6~2021/3 |
身長、体重、聴力、眼科、口腔内、心電図、呼気NO、推定中心血圧、頸動脈エコー、体組成、骨密度、呼吸機能、握力など |
詳細三次調査 |
2021/7~ |
身長、体重、聴力、眼科、口腔内、心電図、体組成、骨密度、呼吸機能、握力、記憶力・思考力の検査など |