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日本人に最適化したSNPアレイ「ジャポニカアレイ®NEO」の設計・開発に関わる論文がJournal of Biochemistryに掲載

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日本人集団のSNP解析に最適化したジャポニカアレイ®※1シリーズの第3弾「ジャポニカアレイ®NEO」の作出における、搭載SNPの選定方法や精度検証についてまとめた論文が、Journal of Biochemistry誌に掲載されました。
ジャポニカアレイ®NEOの設計では、日本人集団が持つSNPの網羅性を向上するために、選定手法を改良して新たに654,246個のタグSNPを選び出しました。加えて、疾患発症リスク検証・予測に用いることができるよう、既報の疾患関連マーカー 28,298個を選定し、合計666,883マーカーを搭載しました(下図)。

タグSNP選定の母集団として、これまで用いられていたToMMo全ゲノム参照パネル1KJPNから、3,552人に拡張された3.5KJPNv2を用いました。ゲノムの網羅性および遺伝子型インピュテーション性能が最大となるよう条件検討を行い、最終的に連鎖不平衡統計量(r2)≥0.8およびマイナーアレル頻度(MAF)≥1%の条件下で、計654,246マーカーを選抜、搭載しました。さらに、GWAS解析等の文献やデータベースから種々の疾患に関連するマーカー候補を抽出しました。これらの候補に対して3.5KJPNv2を参照し、日本人で多型を示す合計28,298マーカーを選抜、搭載しました。
開発されたジャポニカアレイ®NEOを用いて286検体のジェノタイピングを行いました。得られたデータの検証により、99.5%以上のマーカーが多型を示していたことから、日本人のジェノタイピングに適したアレイであることが分かりました。また、一定以上のインピュテーション精度が得られたこと(MAF区画>2.5~5%において、入力SNPと推定SNPとの一致度を示す決定係数 >0.9、およびINFO値>0.8)、さらに、インピュテーション後に得られたINFO値>0.8のマーカー数が、ジャポニカアレイ®v2と比較して約45万個増加し、総計約1,300万個であったことから、十分なインピュテーション性能が得られていることが示されました。

現在、ToMMoにおいて、ジャポニカアレイ®NEOは、他のジャポニカアレイ®とともに、東北メディカル・メガバンク計画(TMM)参加者のゲノム解析に活用されています。2021年6月時点では、約14万人分のジャポニカアレイ®データが収集されています。
今後、ジャポニカアレイ®NEOが、TMM参加者やGWASセンターを通じた外部連携等におけるゲノム解析により一層利活用され、日本人集団を対象とした大規模なGWAS解析、さらに、ポリジェニックリスクスコア等の発症リスク予測スコア開発につながることが期待されます。

書誌情報

タイトル:Japonica Array NEO with increased genome-wide coverage and abundant disease risk SNPs
著者:Mika Sakurai-Yageta, Kazuki Kumada, Chinatsu Gocho, Satoshi Makino, Akira Uruno, Shu Tadaka, Ikuko N Motoike, Masae Kimura, Shin Ito, Akihito Otsuki, Akira Narita, Hisaaki Kudo, Yuichi Aoki, Inaho Danjoh, Jun Yasuda, Hiroshi Kawame, Naoko Minegishi, Seizo Koshiba, Nobuo Fuse, Gen Tamiya, Masayuki Yamamoto, and Kengo Kinoshita
掲載誌:Journal of Biochemistry
掲載日: 13 May 2021
DOI:10.1093/jb/mvab060

※1 ジャポニカアレイ®:ToMMoにより開発された、日本人ゲノム情報を高精度かつ低コストで解析可能とする遺伝子解析ツールであり、国立大学法人東北大学の登録商標です。ジャポニカアレイ®NEOは、サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループより販売されています。
ジャポニカアレイ®NEOの搭載マーカー情報はこちらで確認できます。

 

関連リンク

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ジャポニカアレイ®NEOを開発 ~より広くさまざまな人々にゲノム解析が適用可能に~【プレスリリース】

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