2016年4月14日から熊本県と大分県で相次いで発生した熊本地震の際、ToMMoは被災地の研究機関に対して研究支援を表明しました。東日本大震災を契機に発足した研究機関として、また、同じように震災で研究設備を失った者として、研究が中断される大変さを深く感じたためです。
ToMMoは保有する次世代シークエンサーを用い、熊本大学大学院生命科学研究部の魏范研先生のRNAシークエンス解析の支援を行いました。
この時の研究成果がまとめられ、このたび論文成果として発表されました。
これは、X染色体連鎖性精神遅滞(XLID)の発症メカニズムを明らかにしたものであり、XLIDの治療薬開発への貢献が期待されます。
ToMMoが実施したRNAシークエンスデータは、魏先生自身が実施したRNAシークエンス解析の再現性を担保する重要なデータとして活用されました。
なお当時、熊本大学所属だった責任著者の魏范研教授は、現在は東北大学加齢医学研究所に所属しています。
書誌情報
タイトル:Loss of Ftsj1 perturbs codon-specific translation efficiency in the brain and is associated with X-linked intellectual disability.
著者名:Y. Nagayoshi, T. Chujo, S. Hirata, H. Nakatsuka, C.-W. Chen, M. Takakura, K. Miyauchi, Y. Ikeuchi, B. C. Carlyle, R. R. Kitchen, T. Suzuki, F. Katsuoka, M. Yamamoto, Y. Goto, M. Tanaka, K. Natsume, A. C. Nairn, T. Suzuki, K. Tomizawa and F.-Y. Wei
掲載誌:Science Advances
Published:26 Mar 2021
DOI:10.1126/sciadv.abf3072
関連リンク
X染色体連鎖性精神遅滞のメカニズムを解明! ―新規治療薬開発に道― (東北大学プレスリリース)
平成28年 熊本地震に関して(当時のToMMoからの発信をまとめたもの)
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