第31回日本疫学会学術総会 にて、当機構予防医学・疫学部門 小児発達学分野の小林美佳学術研究員の演題が優秀演題賞を受賞しました。当該研究は、三世代コホート調査にて集積された情報に基づき、後期早期産児の精神運動発達の長期的予後を明らかにしたものです。
後期早産とは、在胎34週0日~36週6日までの出生を定義したものです。日本では出生数の約4-5%を占めており、長期的予後についての検討が求められてきました。本研究では、後期早産児の精神運動発達に関して、6か月、2歳、4歳にて評価し、後期産児と正期産児の比較を行いました。その結果、運動発達については、時間経過とともに正期産児との間に有意差がなくなり、後期早産の影響は消失していくことがわかりました。一方、情動面に関しては、2歳から4歳時点では、後期早産児は正期産児と比較して対人緊張を抱えやすいことが分かりました。
なお、優秀演題賞は日本疫学会学術総会で発表された演題の中から、特に優れた演題に与えられる賞です。
2021年1月28日にウェブ上にて表彰式が執り行われました。