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カルシウム摂取量と日常生活動作低下との関連に関する論文がJournal of Epidemiology誌に掲載されました

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予防医学・疫学部門の小暮 真奈助教らが執筆したカルシウム摂取量と日常生活動作低下との関連に関する論文がJournal of Epidemiology誌に掲載されました。

健康で長生きに過ごすためには、日常生活動作(Activities of Daily Living ; ADL)*1の低下を防ぎ、健康寿命を延ばすことが重要です。要介護認定を受ける要因として脳卒中や認知症、骨折などがありますが、カルシウム摂取の増加はそれらのリスクを低下させる可能性が報告されています。
そこで今回は、NIPPON DATA902のデータを用いて研究参加時55歳以上の参加者を対象にADL低下の有無と10年前のカルシウム摂取量について検討を行いました。その結果、ADL維持者と比べてADL低下者で10年前のカルシウム摂取量が少なかったことが分かりました3。今回の研究ではADL低下者1例に対し、性・年齢の見合ったADL維持者1例を生存者から無作為に抽出した計132ペアで検討しています。しかしこの方法だと偶然の結果の可能性も否定できませんので、この無作為抽出を1000回繰り返し行いましたが(ブートストラップ法)、結果は変わりませんでした。
以上より、ADL低下を防ぎ、ひいては健康寿命を延ばしていくためにカルシウム摂取量を増やすことの重要性が本研究で示唆されました。

【注釈・用語解説】
1 日常生活動作(Activities of Daily Living ; ADL)
人が生活を送るために行う活動の能力のこと(日本老年医学会HPより)。今回は食事、入浴、着替え、排泄、屋内移動の項目のうち、1項目以上介助が必要と回答した場合をADL低下、それ以外をADL維持と定義した
*2 NIPPON DATA90
全国300地区から無作為抽出された30歳以上の男女で、1990年の循環器疾患基礎調査および国民栄養調査に参加した方を対象とした長期追跡調査研究
(https://shiga-publichealth.jp/nippon-data/)
*3 
年齢、エネルギー摂取量、血清アルブミン、BMI、運動習慣、喫煙習慣、飲酒習慣、血圧の要因を考慮

書誌情報

タイトル:Relationship between calcium intake and impaired activities of daily living in a Japanese population: NIPPON DATA90
(日本語訳:カルシウム摂取量と日常生活動作低下との関連(ニッポンデータ90より))
著者名:Mana Kogure, Naho Tsuchiya, Akira Narita, Takumi Hirata, Naoki Nakaya, Tomohiro Nakamura, Atsushi Hozawa, Takehito Hayakawa, Nagako Okuda, Naoko Miyagawa, Aya Kadota, Takayoshi Ohkubo, Yoshitaka Murakami, Kiyomi Sakata, Katsuyuki Miura, Akira Okayama, Tomonori Okamura, Hirotsugu Ueshima
掲載誌:Journal of Epidemiology
DOI: 10.2188/jea.JE20190234.

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