地域医療支援部門の児玉栄一教授らが執筆した薬理活性天然化合物ライブラリーの創製に関する論文が英国科学雑誌Nature Communicationsに掲載されました。
この研究で児玉教授らの研究グループは、種々の抗ウイルス活性を評価した結果、極めて低い濃度で HIV の増殖を選択的に抑える活性化合物を見出しました。本研究は合成生物学的手法を応用することで、従来の天然化合物探索や化学合成では難しい、安定供給と効率的な類縁体創製を可能にする天然化合物ライブラリーの創製を実現しました。今後、本研究の結果をもとに、遺伝子資源から様々な活性天然化合物とその多様な構造類縁体からなる化合物ライブラリーが構築され、創薬研究に大きく貢献することが期待されます。
本研究の成果は、令和2年4月14日午前 10 時 (英国標準時間) に英国科学雑誌 Nature Communications に掲載されました。
書誌情報
タイトル: :Synthetic biology based construction of biological activity-related library of fungal decalin-containing diterpenoid pyrones.
著者名: Kento Tsukada, Shono Shinki, Akiho Kaneko, Kazuma Murakami, Kazuhiro Irie, Masatoshi Murai, Hideto Miyoshi, Shingo Dan, Kumi Kawaji, Hironori Hayashi, Eiichi N. Kodama, Aki Hori, Emil Salim, Takayuki Kuraishi, Naoya Hirata, Yasunari Kanda and Teigo Asai
掲載誌:Nature Communications
Published: 14 April 2020
DOI: 10.1038/s41467-020-15664-4
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