東北メディカル・メガバンク計画のデータを利用した論文が発表されました。
理化学研究所(理研)生命医科学研究センターがんゲノム研究チームの中川英刀チームリーダー、岩手医科大学の髙田亮講師、京都大学の赤松秀輔助教、 東京大学大学院新領域創成科学研究科の松田浩一教授らの共同研究グループは、オーダーメイド医療実現化プロジェクトで実施した網羅的ゲノム解析により、日本人の前立腺がんと関連がある一塩基多型(SNP)を新たに12個発見しました。さらに、これらを含むこれまで発見された82個のSNPを組み合わせ、 日本人の前立腺がんの若年発症を予測するゲノム診断手法を開発しました。
これは、約9,900人の日本人前立腺がん罹患者と、東北メディカル・メガバンク計画長期健康調査参加者を一部含む約8万4,000人の男性対照群に対して、ゲノム全体にある50万個以上のSNP の頻度情報をもとに ゲノムワイド関連解析を行うことにより実現されました。
詳しくは、岩手医科大学のプレスリリースをご覧ください。
前立腺がん若年発症のゲノム診断 -前立腺がんのゲノムワイド関連解析からゲノム医療へ-(岩手医科大学)
論文情報
<タイトル> 12 New Susceptibility Loci for Prostate Cancer Identified by Genome-wide Association Study in Japanese Population
<著者名> Ryo Takata, Atsushi Takahashi, Masashi Fujita, Yukihide Momozawa, Ed Saunders, Hiroki Yamada, Kazihiro Maejima, Kaoru Nakano, Yuichiro Nishida, Asahi Hishida, Keitaro Matsuo, Kenji Wakai, Taiki Yamaji, Norie Sawada, Motoki Iwasaki, Shoichiro Tsugane, Makoto Sasaki, Atsushi Shimizu, Kozo Tanno, Naoko Minegishi, Kichiya Suzuki, Koichi Matsuda, Michiaki Kubo, Johji Inazawa, Shin Egawa, Christopher Haiman, Osamu Ogawa, Wataru Obara, Yoichiro Kamatani, Shusuke Akamatsu, and Hidewaki Nakagawa
<雑誌> Nature Communications
<DOI> 10.1038/s41467-019-12267-6